イベント「ChatGPT 業務活用ワークショップ」開催レポート

イベント概要

2023年8月24日(木)、株式会社ビジョナリーエンジンの主催にて「ChatGPT 業務活用ワークショップ」が開催されました。イベントでは、ChatGPTの基本的な操作方法から具体的な業務への活用方法まで、講師のお二人に詳細に解説していただきました。

講師

ななみん
株式会社Visionary Engine　ChatGPTエバンジェリスト
NTTドコモに新卒入社後、一貫して新規事業に取り組み、「自転車シェア」「ポイント投資」などの新サービス立ち上げ、新機種スマートフォンのPMに従事。2017年より兼業にて「IoTおうちハック」記事執筆、ベンチャー企業のDX Director、国立大学のプロジェクトにおけるプロトタイプ受託開発など精力的に活動している。

ふくみん
株式会社Visionary Engine　生成AIスペシャリスト
NTTドコモにて端末開発・ドコモメールアプリ開発PM・R&D中期戦略策定・社内新規事推進などを経験し、ベンチャー企業へ転職。現在は、生成系AI活用のPdMとして働く。スクラムアライアンス認定スクラムマスター。一般社団法人日本ディープラーニング協会（JDLA）E検定合格者。

イベント内容

前半の30分間では、講師のななみんさんより、ChatGPTの基本的な操作や業務で利用する際の留意点など、ChatGPTの概要についての講演がありました。ChatGPTでできることとして、文章校正やアイデア出しに限らず、日常会話やデータ分析、調査やプログラミングなど、多岐にわたることが強調されました。また、国内の調査によると、ChatGPTのサービスを実際に利用したことがある人は20%を下回っているものの、開発企業であるOpenAIのトラフィックシェアでは日本は第3位にランクインしており、これから特に業務での活用において日本には高いポテンシャルがあるとななみんさんは話します。
操作方法の説明では、ChatGPTを活用する際に重要なプロセスとなる、プロンプトの作成方法について主に説明していただきました。プロンプトを書く際には、ChatGPTの役割や命令の内容を詳細に提示することで出力結果が精緻化されていき、利用者の望む内容を網羅した回答を得ることができるといいます。

さらに、ChatGPTを業務で活用する方法を具体的な業務例を用いて説明していただきました。正しいプロンプトの書き方を学ぶことで、新入社員向けの研修の構成作成やクレームなどのお客様対応の文章作成、会議のアジェンダ作成、業務資料作成やアイデア出しなど効率的に行うことができると述べられました。

講演の最後には、ChatGPTを使用する際の注意点について解説していただきました。事実やデータに基づかない情報を生成する「ハルシネーション」を起こしたり、政治的・偏見的な内容を生成する可能性があるということについて説明がありました。そのほか権利侵害や情報漏洩、倫理的な問題に対する注意を踏まえた上で、生産性向上やビジネス変革のために適切に利用することが重要だとななみんさんは強調しました。

後半では、講師のふくみんさんより、業務への活用方法をイメージするためのワークショップが行われました。実際の業務を想定し、例えば課題抽出の際にChatGPTを活用する方法など、実際にツールを使いながら参加者がアイデア出しを行いました。

また、今後本格的な業務活用につなげていくためには、ChatGPT（APIからの利用を含む）が社内情報を参照できる仕組みをどのように実現するか、企業機密・個人情報など取り扱いに注意を払うべき情報をどのように取り扱うべきか、という点が重要になるということが説明されました。これらの課題に対応した上でChatGPTを効率的に業務活用するためには、システム的な対応はもちろん、社内ルールの整備やノウハウの横展開、社内エバンジェリストの存在も必要だという解説に、参加者の皆さんが頷いている姿が印象的でした。

最後に、ネットワーキングの場として参加者同士の自由な交流が行われ、イベントは終了しました。

イベント主催者の声

本日のワークショップのため、ChatGPTの基本説明及びデモから実際の業務への活用方法の検討まで、入門から応用まで幅広い内容を凝縮して用意しました。また、グループディスカッションや業務活用の事例紹介などで、今後実業務に役立つものを沢山提供することができ、参加者の方々にもご満足いただける内容にすることができたと思います。

イベント参加者の声

細かいプロンプトの作り方にまで踏み込んだワークショップだったので、少し難しかったですが、今回のイベントを通じて、ChatGPTの既存の仕事での応用シーンをいくつか思い付くことができました。HRの領域において、ChatGPTを使うことで属人的・主観的な判断を極力排除できるようになるかもしれません。逆に、評価対象者側がChatGPTを活用した場合にどのように評価すべきかなど、考慮していかなければいけないことがたくさんあります。今後も、業務におけるChatGPTの活用に関しては、前向きに検討したいと思っています。（30代男性）

イベント主催

株式会社ビジョナリーエンジン
所在地：東京都 港区 浜松町2-2-15 ダイヤビル2F
公式ホームページ：https://visionary-engine.com/

docomo R&D OPEN LAB ODAIBA

所在地：東京都港区台場2-3-2 台場フロンティアビル 12F
アクセス：お台場海浜公園駅から徒歩1分、東京テレポート駅から徒歩3分
公式ホームページ：https://docomo-openlab.jp/
docomo R&D OPEN LAB ODAIBAは、コワーキングはもちろんイベントやプレゼンテーションなど目的に合わせて活用できる3つのエリアを提供しています。オープンな環境とクリエイティビティを刺激する最新の機材で、人と技術の交流による新しいものづくりを促進します。