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3月 2 [Mon.]
デジタルヒューマン・シンポジウム 2026
パーキンソン病(PD)に代表される神経疾患に伴う歩行障害は、日常生活の自立度や生活の質に大きな影響を与える重要な課題となっています。とくに、すくみ足などの症状は発生のタイミングが予測しにくく、その場で適切な支援を受けられる仕組みが十分に整備されていません。 こうした課題に対し、産業技術総合研究所・令和健康科学大学・九州工業大学・慶應義塾大学・株式会社ORPHEの5者は、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期「バーチャルエコノミー拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」において、日常生活の中で自然に活用できる歩行障害緩和技術の実現を目指して研究に取り組んできました。 本研究では、スマートシューズによる歩行状態のリアルタイム計測、アシストスーツ・歩行器・音楽などによる多様な介入手段、そしてPD特有の運動特性を再現するデジタルツイン(神経筋骨格モデル)といった技術を統合し、その人の状態に応じた最適な働きかけをその場で提供する「日常生活に寄り添う支援技術」を目指しています。 SIPが掲げるインターバース技術の観点からも、本研究は「実世界の状態を捉え、サイバー空間で解釈し、再び現実へ還元する」という循環型アプローチを、ヘルスケアの領域で具現化する取り組みです。このため、研究室内の技術実証にとどまらず、我々の生活空間への自然な実装を重視しています。 今回の成果報告会では、SIPバーチャルエコノミーの全体像についてプログラムディレクターよりご紹介いただき、その後、各研究機関からこれまでの研究成果をご報告いたします。あわせて、実際の利用シーンを想定したデモやポスターセッションも実施することで、具体的な活用イメージを持っていただけるようにいたします。 医療・福祉、工学、ウェアラブルデバイス、ヘルスケアAIなど、多様な分野の皆様との議論を通じて、“安心して歩き続けられる日常“を支える技術の未来をともに考える機会となれば幸いです。 皆様のご参加を心よりお待ちしております。